筆者がウクライナ第2の都市を訪れたのは、最も訪問しやすい時期ではなかった。近くのロシア領内からミサイルや滑空爆弾がこの都市を攻撃したことで、現地の送電網やインフラは深刻な打撃を受けていた。ロシアが民間人を標的にして攻撃し、最初の攻撃に反応した人々が現場に駆けつけるのを待ってから2回目の攻撃を仕掛けるという「ダブルタップ」攻撃がより一般的になりつつあった。救助隊員がハードウエアを扱う大型店の残骸を掘り返して遺体の断片を探し、近くの法医学研究所での身元特定に回すのを筆者は目撃した。2回目の攻撃の後、地元の病院でけがの手当てを待つぼうぜんとしたオフィス従業員や工場労働者と話をした。ロシア軍による進攻に備えて労働者が塹壕(ざんごう)をつくれるようブルドーザーが市北部の畑をつぶしている光景の下、ハルキウは2022年にロシアによる最初の攻撃が失敗して以来、最も緊迫した日々を送っていた。
【オピニオン】AIと戦術、ウクライナで目にしたこと
ロシアもウクライナも地上・空中戦で革新的手法を駆使
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