ますます過熱する中学受験。子どもを本当に伸ばしてくれる志望校の見極め方や選び方、その志望校に合格するための効果的な「過去問対策」をやり方を、大人気プロ家庭教師の安浪京子先生が詳細に説明した『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』が発売に。本書より抜粋して、そのノウハウの一部をご紹介する。

首都圏で「中学受験する子」の割合がとびぬけて高い理由Photo: Adobe Stock

首都圏の中学受験は全国でも特殊

「何のために中学受験をするのですか?」などと今さら聞かれたくないですよね。
 もうさんざんご家庭で話し合われているでしょうし、様々な本や媒体で中学受験の意義が述べられています。そして、意外に耳の痛い質問であることも重々承知しています。

 中学受験の是非について私も色々意見はありますが、それはさておき、首都圏とそれ以外の地域では、中学受験に対するスタンスに大きな違いがあると感じています。

 首都圏では、4~5人に1人が中学受験をすると言われています。ここには様々な要因がありますが、他の地域と大きく異なるのは、

 ①私立中学校の数が多い
 ②塾やメディアに煽られやすい
 ③学童代わりに中学受験塾を選択する共働き家庭が多い

 という点です。

 首都圏や関西の一部以外の多くの地域では、周囲がほとんど地元の公立中学校に進むため「会社を継いでほしいから甲南(兵庫県)へ」「愛光(愛媛県)しか選択肢はない」「医学部進学率がすべて」など、強い目的や志望校ありきで中学受験が始まるケースが大多数です。

 一方、首都圏では①②によって前提知識が植え付けられ、さらに③などの理由で受験のレールに乗ったり、「周囲が受験するから何となく」などと、強い動機や志望校不在で始まるケースが多々あります。

 とはいえ、中学受験は「6年間過ごす場所を自ら手に入れる」ことが第一の目的です。

 多感な中高時代は、環境や友人関係に大きな影響を受けます。我が子の良さを最も伸ばせる学校はどこなのか。6年間学費を払い続ける価値のある学校はどこなのか。

 ぜひ、偏差値や知名度、先入観や固定観念で志望校を選ぶのではなく、本当の学校の姿を知り、未来を見据えた志望校選びをしてほしいと思います。

*本記事は、『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成したものです。