年々、受験率が上がる中学受験。比例して、受験費用が家計に重くのしかかる世帯の比率も増えているはず。そこで、特集『わが子が伸びる中高一貫校&塾&小学校』(全29回)の#12では、「課金ゲーム」とさえ呼ばれる中学受験にかかるお金を徹底解剖する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
中学受験=課金ゲームは本当か?
“中受”のコストを徹底検証!
「課金ゲー上等!!」──。リアルな中学受験の世界を描いた、高瀬志帆氏の人気漫画『二月の勝者─絶対合格の教室─』(小学館)。その一コマで、中学受験生の息子を持つ母親が、塾費用を出し渋る父親に言い放ったせりふだ。
確かに、中学受験をスマホの課金ゲームに例えたこのせりふは、現在の中学受験の本質を見事に突いている。子どもの中学受験にそれなりの結果を求めるならば、“無課金プレーヤー”ではまず太刀打ちできないからだ。
現在、東京23区では小学6年生の3人に1人が中学受験に挑む。文京区や中央区、港区に至ってはおよそ半数だ。この比率にもなると、家計に相当な無理を強いなければ“課金”できない家庭も少なくないだろう。
一方で、塾の費用は一括ではなく、選択授業や季節ごとの講習、テストなどそれぞれで追加費用が必要になるため、金銭感覚がまひしかねない。
そこで中学受験にはトータルで幾らの課金が必要なのか、中学受験カウンセラーの石田達人氏の協力で算定した。
次ページでは、大手集団塾と個別指導塾など9塾の年間コストの比較表や小4からの3年間費用のほか、中受という名の「課金ゲーム」における“標準プレーヤー”の“課金力”に迫る。