テキサス証券取引所(TXSE)は米国資本市場の中心の座をニューヨークから奪おうとしている。いわゆるリベラルなウォール街の方針に対する「赤い州(共和党の基盤州)」の不満という強い動機が背景にある。だがこの動機だけでは、ニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダック証券取引所からビジネスを勝ち取るには不十分かもしれない。この2社は米国の企業上場を実質的に寡占し、度重なる新規参入の試みをくぐり抜けてきた。ベンチャー企業のTXSEグループは先週、テキサス州ダラスを拠点とする証券取引所の開設に向け、約1億2000万ドル(約188億円)を調達したと明らかにした。同所に上場すれば、NYSEやナスダックの上場規定順守に伴うコストを節約できるとうたう。ジェームズ・リー最高経営責任者(CEO)は、年内の米証券取引委員会(SEC)への登録申請に意欲を示す。
テキサス証取、NYSE・ナスダックに挑む 勝算は
政治的分断が上場事業に波及、南部の「赤い州」からニューヨーク勢に挑戦状
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