経営 X 人事
若手社員を辞めさせず成長させる 「適度なかまい方」マニュアル
【第23回】 2009年12月3日
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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

ブラザー志願者は営業数字も上げる!
~アサヒビール人事担当者に聞く「かまい方」の仕掛け

 「当社の人材育成制度に、若手営業マンを対象にした『社内武者修行制度』というものがあります。会社が模範となる社員を紹介し、若手を1週間張り付かせ、その営業スキルを学んでもらうという制度です。この、会社が認める“模範となる社員”にブラザーシスター経験者が非常に多いのです」

 『社内武者修行制度』は昨年から始まったもので、“模範となる社員”は1年におよそ20人いるといいます。

 「教える意欲があり、教えるのがうまい人は、仕事能力が高い、ということが言えそうです。また、教える経験が、自分の能力アップにつながっている、とも言えるでしょう」

 「かまいの文化」の上に、よく考えられた仕組みが乗っかり、アサヒビールのブラザーシスター制度は、かなり有効に機能を果たしているといえそうです。

 「そうは言っても、職場によって、人によっても温度差はあります。例えば、やりたいと言うブラザーシスターの周囲の人がなかなか関わってくれない、というケースもあります」と西郷さんは率直に言います。

 また、「かまう文化はアサヒビールとして大切にしていきたいことですが、 “元気で前向きなアサヒビール社員”だけでなく、様々な環境変化に適応できる社員を育成することが今後の課題です。そのためにブラザーシスター制度も進化させていく必要があると感じています」

 もっといろいろな個性が集まり、価値観が多様になる必要があるのではないか。ブラザーシスター制度をはじめとするアサヒビールの人事育成制度全体が、バージョンアップの時期を迎えようとしているのかもしれません。

◎お知らせ◎

 ダイヤモンド社人材開発事業部では、

・職場における人材の成長を可視化し、改善するための組織診断システム
『WPL(Management of Workplace Learning)』

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を開発し、それぞれ販売を開始しました。

 数多くの実証データに基づき、職場での学びを科学的にとらえて進化・改善・定着させるためのツールです。関心をお寄せいただければ幸いです。

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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

1961年、東京都生まれ。1986年 、早稲田大学第一文学部文芸専修卒業、ダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部に配属され、以後、記者として流通、家電、化学・医薬品、運輸サービスなどの各業界を担当。2000年 週刊ダイヤモンド副編集長。2006年 人材開発編集部副部長。著書に『だから若手が辞めていく』(ダイヤモンド社刊)

 


若手社員を辞めさせず成長させる 「適度なかまい方」マニュアル

若手社員はなぜすぐに辞めてしまうのか――。放置プレー上司が多い中、早期離職を防ぐためには、若手を「“適度に”かまう」ことが大切。部下を辞めさせることなく成長させる人材マネジメントのノウハウを伝授する。

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