米アップルは10日開幕した年次開発者会議「WWDC」で、同社端末のソフトウエア更新を通じて新しい人工知能(AI)システム「アップル・インテリジェンス」を提供すると発表した。ユーザーにパーソナライズされた生成AIを提供できるとしている。新システムはさまざまなアプリから情報を集め、ユーザーの個人情報を読み取ることで、例えば特定の家族の写真の呼び出しや、変則的な通勤の際の交通状況の予測を支援。文書作成ソフトでは文章校正に利用できる。写真や絵文字の作成、ラフスケッチを洗練された図形に変換することにも対応する。アップルはAIシステムがプライバシー対策を重視していると強調した。ほとんどの処理はクラウド上のサーバーではなく、端末上で実施する。なお、大規模なAIモデルについては「プライベート・クラウド・コンピュート」という独自のサーバー上で実行することで秘匿性を保つとした。これらサーバーにはタスクと関連のあるデータだけを送り、アップルがその後の訓練に利用するために保存することはないと説明した。