企業幹部やエコノミスト、投資家が予想していたリセッション(景気後退)は姿を現そうとしない。安定した雇用が、個人消費を、そして米国では類を見ない景気拡大を刺激し続けている。米労働省が7日発表した雇用統計では、就業者数は5月の27万2000人増を含め、過去12カ月間に275万人増えている。失業率は過去30カ月間、4%あるいは4%に届かない水準で推移している。これは、1960年代末のベトナム戦争時および1950年代初めの朝鮮戦争時以来のことだ。当然のことながら、リセッションを予想した人すべてがこれまで間違ってきたからといって、最終的に正しくないと決まったわけではない。失業率は依然として低水準だが、新型コロナウイルス流行後の極端な水準からは上昇している。5月の失業率は4.0%と、4月の3.9%から上昇した。2023年4月の失業率は3.4%だった。