「夏休みに勉強をしないと、最大で4カ月分の学力を失う」。そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の新刊『「強み」を生み出す育て方』の中から、25年間の塾経営でたどり着いた【夏休みボケの予防法】をお届けする。
夏休みに勉強しない→最大4カ月分のロス
今年も夏休みシーズンがやってきました。「夏休みを制するものは受験を制す」という言葉もありますが、受験をする・しないに関わらずみなさんにお伝えしたい「怖い話」があります。
私が住むアメリカでは、6月から8月まで3カ月もの長い夏休みがあります。毎年、夏休み明けになると「サマースライド」と呼ばれる学力低下現象が起こることが知られているのです。
サマースライドは小学校低学年の子どもに顕著に表れ、ある調査によると、夏休み中に勉強を怠った場合、1~2カ月分の学力が失われ、それを取り戻すのにさらに1~2カ月を要することがわかっています。
つまり、夏休みに何も勉強をしないと、最大で4カ月分の学力を失うのです。4カ月は1年の3分1に相当する期間です。「夏休みを制するものは受験を制す」は正しいのです。
アメリカほど夏休み期間が長くはないとはいえ、日本でも夏休みにサマースライドが起きるリスクがあります。これを阻止するには、長期休暇中も学期中と同じような生活リズムを維持することが効果的です。
夏休み中の生活リズムが安定していると、子どもは次に何をすべきなのかが自分でわかりますから、やるべきことに集中して取り組めるようになります。
「夏休みに里帰りすることを楽しみにしている」という場合でも、1週間などなるべく短めの期間で出かけましょう。1週間程度なら多少生活リズムが乱れてもすぐに修正できます。
夏休み期間には短期のサマースクールやサマーキャンプはもちろん、習い事の体験会なども開催されます。夏休みは「子どもの潜在力を引き出すチャンス」でもあるのです。「子どもの気質に合っているか」を意識して、習い事や体験を親が一緒に考えてあげましょう。
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子育て成功のカギは「強み育て」にある
子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?
たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。
つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。