米アマゾン・ドット・コムが米動画配信大手ネットフリックスの広告事業戦略に痛手を与えている。広告バイヤーによると、ネットフリックスは広告料金を引き下げているほか、広告主の商品を番組の中に溶け込ませる「プロダクトプレースメント」など新たな取り組みにも力を入れている。同社は広告事業の競争が激化する中で事業拡大を目指している。動画配信の広告市場は今年に入り一変した。アマゾンが動画配信サービス「プライム・ビデオ」の会員を丸ごと新規の広告付きプランに移行させた影響だ。会員は月額2.99ドル(約470円)の追加料金を払えば広告なしプランに戻ることができる。プライム・ビデオの広告付きプランの利用者が多いことは広告在庫が豊富なことを意味し、新シーズンの番組向け広告枠を巡る動画配信事業者と広告主の交渉に影響を及ぼしている。動画配信事業者にはネットフリックスやユーチューブ、テレビ局などが含まれ、広告枠の規模は数十億ドル規模に上る。こうした交渉プロセスは「アップフロント」と呼ばれる。