「熱血すぎる予備校講師」が不合格を招く当然の理由…元生徒が明かす「空回り授業」の実例とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

計9年間の浪人を経て早稲田大学に合格した経験を持つ筆者・濱井正吾(通称:9浪はまい)が、良くも悪くも浪人を重ねたからこそ分かる「塾・予備校あるある」をお届けします。志望校合格に向けて苦労(9浪)する中で、筆者が出くわした「熱意が空回りする講師」の切なすぎる実態とは?現役受験生やその両親はもちろん、受験を終えた皆さんも「あの頃」を思い出しながらお読みください。(教育ジャーナリスト 濱井正吾)

授業は延長!生徒は不合格!
「熱意が空回りする講師」の実態

 中学・高校・大学と、受験に欠かせない塾・予備校の存在。学生さんにとっては、塾・予備校が数多くある中、自分がどこに通えばいいかはとても悩ましい問題です。親御さんにとっても、わが子にどんな授業を受けさせるべきか決断するのは難しいでしょう。

 そんな悩みを抱えるのも無理はありません。かつては私も、予備校選び・授業選びを失敗し、9浪してしまいました。

 しかし、当時を改めて思い起こしてみると、生徒があまり伸びないダメな塾・予備校や、ダメな講師には共通点があることがわかりました。

 そこで本連載では、たくさん失敗した筆者の経験から導き出した「通ってはいけない塾・予備校」「授業を受けてはいけない講師」の特徴について解説していきます。

 今回のテーマは「熱心(または熱血)すぎる講師」です。

 詳しくは前回の記事で触れましたが、浪人中の私は「やる気ないなら受験やめろ」といったダメ出しを繰り返す講師との相性が合わず、予備校を“移籍”したことがあります。その後は熱心な講師に恵まれ、勉強へのモチベーションや成績は向上。紆余曲折を経て、最終的には27歳で早稲田大学に合格できました。

 しかし実は、新しく通った予備校にも、残念ながら「ハズレの講師」が一人だけいたのです。

 このA講師は人格的に問題があったわけではなく、むしろいつもニコニコしていて、授業も熱心でした。本来は「週に2時間」だった歴史の授業に1時間を追加し、自主的に補講を開いてくれたほど生徒思いの素晴らしい方です。

 ただA講師は、そのやる気が逆に生徒の合格を遠ざける「空回り講師」だったのです。