東大生の「キャリア官僚離れ」が加速している。過酷な労働環境などが伝えられる中、高学歴エリートにとって魅力の少ない選択肢となってしまったのかもしれない。この問題を解決するにはどうすればいいのか。経営学の視点で考えてみた。(やさしいビジネススクール学長 中川功一)
エリートの「キャリア官僚離れ」が加速
東大出身者は過去最少
先日、人事院から2024年春の国家公務員採用(総合職)の結果が公表された。
出身大学別の人数では、東大生が最も多く189人。だが、これは過去最少で、全体の10%を割り込んだ。
そもそも、国会公務員総合職の試験を受けてキャリア官僚を目指す人自体が減っている。24年春は、国家公務員総合職試験の申込者数が過去最少だった。高学歴の人々にとって、キャリア官僚が魅力の少ない選択肢になりつつある。
どうして、このようなことになったのか。ここからどうやって改革していけばよいのか。経営学者として分析、解説をしてみたい。