佐藤優が説く、組織で生き残るための
「8対2の法則」とは?
例えば、Bさんの直属の上司を「課長」、その上のマネジャーを「部長」とします。課長と部長が敵対する派閥に属している場合、「課長に8割」「部長に2割」の比率で忠誠心を持ちましょう。
「直属の上司を裏切るヤツは、他のマネジャーの下についても裏切る」と見なされることが多いので、基本的には(8割程度は)課長に忠実に仕えるのです。その裏側で、課長の動向をコッソリ把握しておき、部長に時折「告げ口」をする。これが「2割の忠誠心」に基づく行動です。
部長に告げ口をする際は、「すぐに裏切るヤツ」だと見なされないよう、慎重に言葉を選びましょう。「課長がこんなことを言っていて……」と直接的に伝えるのではなく、「私はあまり気にしていないのですが、他に気にする人がいるかと思いまして……」と遠回しに話すのです。
「個人の利益のために情報提供している」というトーンを抑えて、「会社全体を心配して、やむを得ず相談している」「組織のためを思うと、ちょっと気になる」という体裁にした方がいいですね。その結果、どちらかが敗北しても、Bさんが窮地に追いやられるリスクを低減できるというわけです。
最後に、そうした派閥内での立ち回りを知る上で、大変勉強になるコンテンツをお伝えしておきましょう。
それは、任侠映画の「日本統一」シリーズです。
詳細は伏せますが、主なあらすじは「不良少年が極道の世界に身を投じ、成り上がっていく」というものです。作中ではヤクザの内部抗争が描かれることが多いのですが、これらは結局、派閥や人事の話。ビジネスの世界にも当てはまる「会社の縮図」が描かれているからこそ、あれだけ売れ続けているのです。
男性ファンが多い作品ですが、だまされたと思って見てみてください。今後の身の振り方のヒントが得られるかもしれませんよ。