知の巨人・佐藤優が
「学閥はダメ」と言い切る理由
ひどい例を挙げると、社会人になってから何年~何十年もたっているのに、母校である難関大学の入試の話題で盛り上がり、「オレは2次試験の数学を何問解けた」などとお互いに自慢し合っている人たちがいます。しかも、その出題内容をいつまでたっても正確に覚えている。
入試どころか、さらに前の「模試」の話題でヒートアップし、「オレは全国模試の10番以内に〇回入った」といまだに言い合っている人もいます。
そういう人達と一緒にいても時間の無駄です。申し訳ないですが、学歴を基準に集団を形成し、今も入試の話題で盛り上がっている人たちは、たとえ高学歴でも社会人としては「劣位集団」に当たります。自分の人生の頂点が、社会人ではなく「難関大学に合格した時点」で止まっているからです。
なので、彼らはいつまでたっても入試や大学の話をします。同じ武勇伝を学生時代から何百回と繰り返しているから、試験問題を全部覚えているのでしょう。
私は難関大学出身者に出会うと、リトマス試験紙として「二次試験でどんな数学の問題が出ましたか?」と聞いてみることがあります。そこで延々と解説し始める人間は「危ないヤツ」だと見ています。
ちょっと話が脱線しましたが、もしBさんが転職し、職能に基づく「良い派閥」に入れたとしても、永久に安泰だとは限りません。派閥同士で何らかのトラブルが起こる可能性もゼロではない。そうした際に、今回のように「負け組」になる事態を避け、うまく立ち回る方法が実はあります。
それが「8対2の法則」です。自分が所属している派閥に8割、敵対する派閥の両方に2割という比率で関わり、どちらかが潰れた場合の保険をかけておくのです。