ボーイング、米アウトソーシング時代に幕引きPhoto:Bloomberg/gettyimages

 米航空機部品大手スピリット・エアロシステムズは一つのサイクルを完了する。元々は米航空機大手ボーイングの一部だったが独立したサプライヤーとなり、そしてまたボーイングの一部に戻る。米企業の間ではアウトソーシング(外部委託)はかつて期待されていたようなものではないとの認識が広がっており、今回のスピリットの件はその格好の例となる。

 ボーイングは1日、スピリットを全額株式交換方式で買収すると発表した。買収規模は1株当たり37.25ドルで、これは前週末の終値に13%上乗せした水準となる。スピリットの投資家にとっては好都合だと思われる。2019年末以降のスピリットのトータルリターンはマイナス53%で、ボーイングのマイナス42%よりも悪い。スピリットはカンザス州ウィチタに本社を置き、ボーイングの小型機「737MAX」の胴体などを製造する。