富裕層 億万長者の実像#10Photo:Gulfstream Aerospace Corporation

富裕層の節税術は、ブームになれば国税庁から目を付けられ、封じられる。その中で再注目されるのが、王道の節税術だ。特集『富裕層 億万長者の実像』(全13回)の#10では、自身が航空機リースの適性に合致しているかを確認できるチェックリストを作成した。節税目的だけでなく、実需面で富裕層に人気のビジネスジェットも併せて紹介する。(ダイヤモンド編集部 重石岳史、永吉泰貴)

ブームになった節税術に包囲網
「王道」の航空機リースが再注目

「魅力的と思える節税がない。国税にことごとく封じられてしまった」。純資産30億円を超える“リアル富裕層”の藤田啓太氏(#5『富裕層が株高&金利上昇で選ぶ資産運用はどれ?不動産、株、仮想通貨…【匿名座談会・前編】』の座談会出席者、仮名)は、昨今の節税事情についてこう嘆く。

 それも無理はない。下表のように、富裕層に人気だった節税への規制が近年強化されているからだ。2021年度以降の主なものでも、海外不動産投資、節税保険に足場・ドローンレンタルと、ブームになった節税術のほとんどにメスが入った。

 23年度にはタワマン節税にも国税庁の包囲網が敷かれ、規制が一部強化された。税理士法人ベリーベストの佐下谷彩代氏は「今や富裕層の節税術で、有力な選択肢はほとんど残されていない」と話す。

 下手な節税をすれば痛い目に遭う、富裕層同士の“ババ抜きレース”を制するためには、どのように有効な節税術を選べばよいのか。

 ポイントは「ブームから王道への回帰」である。地味でも長く生き残った節税術が富裕層の間で再注目されているのだ。海外不動産で“ババ”を引いてしまった層が今後行き着く王道の節税術として、航空機リースが挙げられる。

 航空機リースの節税効果は大きいものの、円安など為替リスクなどの影響もあり、誰もが向いているわけではない。

 そこで税理士の佐下谷氏の助言を基に、自身が適性に合致しているかを確認できるチェックリストを作成した。適性が合致していれば、是非この機会に航空機リースを検討してみるのもいいだろう。

 次ページではさらに、節税目的ではなく実需面で富裕層に人気のビジネスジェットも併せて紹介しよう。