米国で第2次トランプ政権が発足するとの見通しが強まっており、米国債市場では売り圧力が高まっている。投資家は減税などの政策が財政赤字の拡大やインフレの加速につながるとみている。
11月の大統領選に向けたジョー・バイデン大統領とドナルド・トランプ前大統領の討論会が行われた翌日の6月28日、米国債利回りは急上昇し始めた(価格は下落)。討論会はバイデン氏再選の見通しに大きな打撃を与えたとの見方がウォール街では広がった。バイデン氏が劣勢になれば議会の主導権争いで共和党の力が強まり、予算では同党の優先事項が通りやすくなる可能性が意識されている。
クルーズ&アソシエーツの金利トレーディング・セールス部門責任者、ダン・マルホランド氏は、討論会の翌日に「明らかに何かが急に変わった」と話した。投資家は討論会の結果を踏まえて先行きを見極めようとしていると同氏は指摘し、市場で大きなポジションをとる動きがあったとの見方を示した。