FRB米国債利回りは住宅ローン金利などの下限となる  hoto:Farrah Skeiky for The Wall Street Journal

 米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げ方針を維持している。それにもかかわらず、住宅ローン金利などの借り入れコストの主な決定要因である米国債利回りは上昇し続けている。

 10年物米国債の利回りは26日時点で4.233%と、昨年末の3.860%から上昇している。このため30年固定住宅ローンの平均金利や、社債市場の借り入れコストも上昇している。

 ウォール街では国債利回りの低下を予想していた向きが多かっただけに、利回り上昇は意外感を持って受け止められている。20年ぶりの高水準に達した住宅ローン金利の低下を期待していた米国人にとっては、いら立たしい状況といえる。ただ、これは米国で金利が決まる仕組みにはさまざまな要因があることや、金利の軌道は依然として不透明であることを物語っている。

 以下で国債利回りが変動している背景と、今後なぜ利回りが上昇、あるいは低下する可能性があるのかを説明する。