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米トランプ大統領がイランへの軍事攻撃を開始した。イランも報復で戦線を拡大している。株式や原油市場の先が見通せない中、本稿ではトランプ氏の“気まぐれ”ともいえる関税政策について学び直しておこう。同氏の言動は予測不能だからこそ、事前に状況を整理しておくことが重要だ。実は、トランプ関税の再導入により、“笑う国”と“泣く国”が鮮明になる。どういうことか。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)
米国とイスラエルがイランへ軍事攻撃
原油、株価、金(ゴールド)などに影響
米国とイスラエルの両軍がイランへの軍事攻撃を開始した。米トランプ大統領は対イラン作戦について「われわれの全ての目標が達成されるまで続く」と述べている。一部報道では4週間程度との見方もあるが、先は全く見通せない状況だ。
世界経済や金融市場にも早速、影響が出ている。イランがホルムズ海峡でタンカーを攻撃。事実上の封鎖により原油の供給不安が強くなり、原油市場では先物価格が急騰している。
東京株式市場では、原油価格の高騰や戦争の長期化への懸念が先行し、売りが広がった。日経平均株価の下げ幅は一時1500円を超えた。
また、日本を含む世界各国で金(ゴールド)の取引価格が急騰。イラン情勢を受けて、安全資産であるゴールドが買われたとみられる。
11月に中間選挙を控えたトランプ氏。支持率回復を狙って新たな政策発表や軍事行動に突き進む可能性は高い。トランプリスクが世界を混沌とさせている。
先が見通せない中、本稿ではトランプ氏の“気まぐれ”ともいえる、関税政策について振り返っておこう。中東情勢もそうだが、世界の経済活動に大きな混乱を与えている。トランプ氏の言動は予測不能であり、世界の金融市場と実体経済にとって大きな阻害要因であることは間違いない。だからこそ事前に状況を整理し、学ぶことが肝心だ。
実は、トランプ関税再導入により、対米輸出にかかる関税が低下する国は多い。これは輸出の追い風になるだろう。一方、日本は一律関税により追加の関税を負担することになるだろう。なぜ、“トランプ気まぐれ関税”で、“笑う国”と“泣く国”が出てくるのだろうか。







