「悪口を言われて凹む人」と「ケロッと日常を過ごす人」の根本的な違い写真はイメージです Photo:PIXTA

私たちは他人の悪口を言って溜飲を下げたり、悪口を言われてモヤモヤさせられたりを繰り返しながら生きている。こんなにも身近なストレスである悪口について、私たちは知らなすぎではないだろうか。精神科医で『「誰かのため」に生きすぎない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)著者の藤野智哉さんに「職場で悪口を言われたとき、自分を守るためにすべきこと」について聞いた。前編となる今回は、無意識のうちにあなたを苦しめる「思考の落とし穴」を4つ紹介する。(構成/三浦愛美)

他人の悪口に心を乱されてはいけない

 誰かが自分の悪口を言っている。信頼していた上司や友人から、きつい口調で怒られた。

 そのせいで、仕事に集中できなくなったり、心がポッキリ折れてしまったりすることがありますよね。

 自分はみんなから嫌われている、誰も自分のことなんか評価してくれない、そんなふうに落ち込んでしまうこともあるかもしれません。精神科医の私のところにも、日々そういう悩みを持つ人々が訪れてきます。

 ただ、大前提として覚えておいていただきたいことがあります。それは、「万人から好かれる人間なんていない」ということ。

 食べ物だって、人それぞれ好き嫌いがありますよね。パクチーが大好きな人もいれば、香りをかぐだけでダメ、という人もいます。

 人間もそれと同じで、ある人はAさんを絶賛するけど、ある人は頭ごなしに否定する……なんて現象は皆さんの周りでも起こっていませんか。

 だから、誰かが自分のことを悪く言っていると感じても、自分はダメな人間だと落ち込む必要はないのです。

 この大前提を確認したうえで、「他人の悪口にふりまわされないための予防策」を身に着けていきましょう。