パレスチナ支持派は長年、イスラエルの排斥を世界に呼び掛けてきたが、得られる賛同は限られていた。だがガザで戦争が始まると、イスラエルを孤立させる動きが支持を集めるようになり、社会のさまざまな分野に広がっている。こうした変化は、イスラエル人のキャリアを左右し、ビジネスに打撃を与え、経済を圧迫する可能性がある。人口900万人の同国は国防や貿易、科学研究を国際協力と支援に頼っている。ベルギーのゲント大学の倫理委員会は5月下旬、イスラエルの機関との共同研究を全て打ち切るよう勧告した。イスラエルの計算生物学者エラン・シーガル氏にとっては寝耳に水だった。科学界では、ガザで戦争が始まって数カ月たっても世界的な排斥運動の影響はほぼ見られなかった上、シーガル氏の研究はイスラエルの軍事活動とは何の関係もなかった。委員会によると、ゲント大がそれまでイスラエルと共同研究を行っていた分野は自閉症、アルツハイマー病、水質浄化、持続可能な農業などだった。