発行拡大続く米国債、市場が吸収できる訳はPhoto:Alexandra Citrin-Safadi/WSJ

 米国の財政見通しは悪化しているが、ウォール街は気にしていないようだ。

 米議会予算局(CBO)は先月、2024会計年度の財政赤字が1兆9000億ドル(約300兆円)に達するとの見通しを発表した。これは昨年度の1兆7000億ドルを上回る水準で、従来予想の1兆5000億ドルから引き上げた。発表当日の米国債相場は上昇した。赤字の穴埋めに向けた一連の大規模な国債入札にもかわらず、国債相場は上昇基調を維持し、足元の国債利回りは昨年の高水準から大幅に低下している。

 債務残高が膨らみ続ければ市場の動揺を招きやすくなるとの懸念を抱いていた一部のアナリストにとっては意外な状況となっている。ここでは国債市場が直面する課題と、市場はこれまでのところどのように課題に対処してきたのかを考察する。