なぜいま「燃えカス」が問題に?
「花火の燃えカス問題は昭和の時代からありました。なぜ今年、花火大会がこの問題で中止が相次いでいるのか、わかりません。花火の構造や打ち上げ方法が変わったわけでもありません」(河野専務理事)
確かに、打ち上げ場所の近くに大きな駐車場やヨットハーバーがあると問題が拡大しやすいので、協会はこれまでも大会主催者に注意を呼びかけてきた。だからこそ、首を傾げる。
「もし、花火の燃えカスのみの問題で花火が打ち上げられないのであれば、東京の人口密集地で開催される『隅田川花火大会』は大問題になっているはずです」(同)
河野専務理事は、「開催地の住民感情が関係しているのでは」と推察する。
取材に、「4年ぶりの花火大会で住民の意識が少し変化したのかもしれない」と、話す自治体の職員もいた。
「毎年、花火大会が開催されていたころは、燃えカスが降ってきても、『いつものことだから』で済んでいたのかもしれません。コロナ禍の4年をはさみ、昨年は久々の開催だった。降ってきた『燃えカス』に改めてストレスを感じたかもしれません」(ある自治体職員)
夏の花火は、老若男女を問わず楽しむことのできるイベントのひとつだ。
どの職員も、「市民の期待が大きくて、花火大会はやりたいのですけれど」と、残念そうに訴えていたのが印象に残った。
(AERA dot.編集部・米倉昭仁)
※AERA dot.より転載