都心回帰した中央大の法学部

 中央大学は看板学部である法学部が多摩キャンパスから茗荷谷キャンパスに移転したことが、この10年での大きなニュースだろう。もちろん多少の移転による効果はあったが、それでも移転したのは法学部のみで、ほかの文系学部は多摩キャンパスに残ったままとなり、劇的に中央大学の人気が上がったわけではない。

 そもそも、中央大の法学部はいまだにGMARCHのなかでは最難関に位置する学部であり、「都心キャンパスだから」という軽い気持ちで行けるところではない。そのため、「中央大で法律の勉強がしたい!」と強く願う学生にとってはキャンパス移転は学ぶ環境が整備され、いいニュースとなったが、他学部の学生にとってはあまり影響がなかった。

 とはいえ、GMARCHトップの中央大・法学部のキャンパス移転は、時代の変化に対応しようとする大学側の覚悟を見せるとともに、各大学にとってもいい刺激になったことは言うまでもない。