ハーバードの知性京都・嵐山の渡月橋にて(左から2番目がスワプニル・ラッド氏)=2024年5月21日、京都市右京区 写真提供:スワプニル・ラッド

2024年5月19日~27日、ハーバードビジネススクールの学生約120人が研修旅行、ジャパン・トレックで日本を訪れた。この研修旅行は日本人学生が主体となって企画・運営されているもので、ハーバードビジネススクールで絶大な人気を誇っている。今回の研修旅行に参加したスワプニル・ラッドさんが、今回の滞在で最も楽しみにしていた「意外なこと」とは。(取材・構成/作家・コンサルタント 佐藤智恵)

ハーバードの学生が驚いた
日本とアメリカ、観光地の「決定的な違い」

ハーバードの知性スワプニル・ラッド(Swapnil Lad)/1999年米ジョージア州生まれ。2021年ジョージア工科大学卒業、22年同大学院修了。アップル、アマゾン・ドット・コムを経て、23年8月、ハーバードビジネススクール入学。25年5月、MBA取得予定。
写真提供:スワプニル・ラッド

 2023年8月にハーバードビジネススクール(以下ハーバード)に入学して以来、日本への研修旅行「ジャパン・トレック」に参加するのを楽しみにしていました。というのも、私は大のアニメファンだからです。

 子どものころは『ポケットモンスター』『NARUTO-ナルト-』『ワンピース』『ドラゴンボール』に夢中になり、大人になってからは『進撃の巨人』『呪術廻戦』『鬼滅の刃』のとりこになりました。「アニメに登場する街や風景をいつか自分の目で見てみたい」とずっと思っていたので、「どんなにお金がかかっても絶対に参加しよう」と決めていました。

 さらに、ハーバードで日本企業の事例を学んだことで、日本に行きたい気持ちがより一層高まりました。

 楽天の英語公用語化の事例について議論した後には、「グローバル化が進む中、日本人はどのように独自の文化を維持し、次の世代に引き継いでいるのか」についてもっと知りたいと思いましたし、トヨタ自動車の事例について学んだ後には、「なぜ日本のメーカーはこれほど効率的な生産システムや強固な現場力を生み出すことができたのだろうか」と興味を持ちました。授業で学習したことをさらに深く理解するためにも、日本への研修旅行は絶好の機会になると思いました。