世界最高峰の経営大学院の一つである、ハーバードビジネススクールでは8月23日、9人の日本人学生が新たな学生生活をスタートさせた。世界中のトップエリートとしのぎを削るキャンパスライフは、入学者にどんな変化をもたらしてくれるのか。同校を4カ月前に卒業した数少ない日本人卒業生の一人である、大津賀健史さんにインタビューした。(聞き手/作家・コンサルタント 佐藤智恵)
MBA受験を決意した理由は
ニューヨークの駐在時に感じた実力不足
MBA留学を志したのは28歳ぐらいの時だったと思います。きっかけは三菱UFJ銀行のニューヨーク支店で勤務していたときに、自分の実力不足を痛感したことです。
大学時代にアメリカの大学への留学経験があったとはいえ、学生とビジネスパーソンとでは立場が全く違います。現地のアメリカ人従業員と共に仕事をする中で「自分にはこんなスキルがない」「こんな知識が不足している」と感じる場面が多々ありました。自分が思い描く理想のグローバルリーダー像とは程遠い状況だったのです。
「このギャップを埋めるためにも、いったん、キャリアを中断して、ビジネススクールで経営やリーダーシップを勉強し直したい」と思い、駐在中に受験勉強を始めました。2021年春、幸運にもハーバードビジネススクール(以下、ハーバード)に合格し、同年8月に入学しました。