親からお子さんに“単位の計算”を教える「3つのメリット」

東大卒プロ算数講師の小杉拓也氏は、次のように言います。「親がお子さんに単位の計算を教えることは、主に3つのメリットがあり、おすすめだ」
同氏が執筆した『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』は、学習参考書として「史上初」となる「2023年 日本で一番売れた本（年間総合1位）」を獲得（日販調べ）。そのシリーズ第3弾で、単位換算がスムーズにできる「3ステップ法」を紹介した、『小学生がたった1日でかんぺきに単位の計算ができる本』が待望の刊行。冒頭の発言について具体的にどういうことか、同氏にうかがいました。

「3ステップ法」のおさらい

さっそくですが、単位換算がスムーズにできる「3ステップ法」について説明します。

（例）「0.07ha＝□㎡」の□にあてはまる数を求めましょう。

次の3ステップで求められます。

①「0.07ha＝□㎡」に出てくる単位「haと㎡」の関係は、「1ha＝10000㎡」です。

②「1ha＝10000㎡」に出てくる数「1と10000」に注目します。1を「10000倍する」と10000になります（1ha→1×10000＝10000→10000㎡）。

③「0.07ha＝□㎡」の0.07を、同様に「10000倍する」と、700となり、□にあてはまる数が700と求められます（0.07ha→0.07×10000＝700→700㎡）。

この「3ステップ法」を使えば、長さ（cm、mなど）、重さ（g、tなど）、面積（㎠、haなど）、体積と容積（㎤、Lなど）の単位をかんたんに換算できるようになります。苦手な単位換算を得意にしたい方は、新刊『小学生がたった1日でかんぺきに単位の計算ができる本』をご覧ください。小学生はもちろん、大人の脳トレとしてもおすすめです。

上記の例で出てくる「1ha＝10000㎡」などの、単位どうしの関係のおさえ方のコツやポイントも同書で、丁寧に解説しています。

親子で「単位の基本の関係」をおさえよう！

『小学生がたった1日でかんぺきに単位の計算ができる本』は、お子さん1人だけでも進めていける構成になっています。一方で、親御さんがお子さんに教えながら、本書を進めていくのもおすすめです。

単位換算をするには、まず「単位の基本の関係」をおさえる必要があります。
具体的に、小学生がおさえるべき主な単位の関係をまとめると、次のようになります。

ここには、日常であまり使わない単位も含まれているので、「学生の時は覚えていたが、今はかなり忘れている」という親御さんも少なくないのではないでしょうか。ただ上記は、どれも基本的な単位の関係なので、「大人の教養」として知っておいて損はないと思います。

一方で、これを丸暗記しようとするのは大変そうですね。でも、すべて丸暗記する必要はなく、上記の単位をおさえる5つのポイントを『小学生がたった1日でかんぺきに単位の計算ができる本』のコラムに載せています（k（キロ）は1000倍を表し、m（ミリ）は1000分の1倍を表す、など）。

そのため、上記の単位の関係をおさえるのに、実は、それほどの苦労は要りません。お子さんと楽しみながら単位の関係をおさえていけるでしょう。

親がお子さんに単位換算を教える、3つのメリットとは？

単位の基本の関係をおさえたら、次は、冒頭で紹介した「3ステップ法」を使って、「70a＝□ha」などの単位換算の問題に入ります（□にあてはまる数は0.7）。

3ステップ法についても、親御さんがお子さんに教えるのはおすすめで、これにより、3つのメリットがあります。

1つめのメリットは、お子さんが3ステップのやり方を忘れたり、間違ったりしたときに、すぐに親御さんがフォローすることができるということです。

2つめのメリットについて、3ステップ法は「学校では習わない方法」なので、お子さんに重宝がられるということです。小学校の教科書には、単位換算の「手順」について、具体的に書かれていません。そのため、単位換算のやり方がわからなくて困っている子が多いのですが、親御さんから直接教えてもらうことでスムーズにマスターできるでしょう。

3つめのメリットは、お子さんにとって「一生役立つ方法」を教えられるということです。単位換算をする機会は、小学生の間だけでなく、中学生から大人までずっと続きます。小学生のときに、かんぺきにマスターすれば、その後、単位換算するときに困ることは、ほぼなくなるでしょう。

3つのメリットを挙げましたが、「教える」というのは親子間の大事なコミュニケーションのひとつなので、「教え、教えられる喜び」を共有していただければと思います。

※本記事は、『小学生がたった1日でかんぺきに単位の計算ができる本』の著者が書き下ろしたものです。