圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化がすごい」と話題の『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』著者・森武司氏は、2005年の創業以来、18年連続増収増益を達成し、年商146億円となった。ここまで会社を成長させてきた秘密は何か? 本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。今回お話を伺ったのは、現役のお笑い芸人でありながらデイトレーダーとして大成功し、いわゆる“億り人”になったハニトラ梅木氏だ。そんな梅木氏は、『スタートアップ芸人』をどう読み解いたのか。今回のインタビューでは、忙しい日々でも時間をうまく使うために実践している方法について伺った。(ダイヤモンド社書籍編集局)

1分1秒をどう使う? 忙しすぎる“億り人”が実践している意外な時間術Photo: Adobe Stock

スポーツ選手並の集中力・判断力・瞬発力!

――デイトレードの労働時間はとても短いですよね。それで儲けを出せたら、結構ラクな仕事ではないかと思うのですが……。具体的にはどんな感じなのでしょうか。

ハニトラ梅木(以下、梅木):デイトレードは、株式やFXなどの金融商品を1日のうちに売買する投資手法のことです。株をやるためにパソコン前に張りついている時間は、それに集中するのみ。具体的には、平日の9時に相場が開いて11時30分までが前半、12時半から15時までが後半。

労働時間が短いと言われれば、確かにそうなんですが……。とはいえ売買が可能なこの時間は、スポーツ選手並の集中力と判断力、そして瞬発力でもってチャンスを逃すまいと必死ですよ。

ちなみに、いつ相場が下がり始めるかもわからないので、トイレを我慢するのも普通のこと。とにかく、ずっと株価の動きを注視しています。

――時間と体力の勝負なんですね。梅木さんは現在、芸人・デイトレーダーの他、心霊怪談YouTuber、パチンコライターと“四足のわらじ”をはいています。細かいお仕事を含めればもっと多いのかもしれません。そうした忙しい毎日での、時間をうまく使うコツや、裏技的なテクニックがあれば教えてください。

梅木:心霊怪談YouTuberやパチンコライターの仕事で地方へ取材に行くこともありますし、芸人の仕事もスタジオなりに出向くことが多いので、実は時間がいくらあっても足りません。

ちなみにデイトレードでも、後場が終了した時点では1日の取引時間が5時間ですが、翌日に向けた予習をする場合は、プラス1時間かけることもあります。

眠気覚ましのコーヒーより10分の仮眠

――その5時間は、他の仕事に充てられないですもんね。

梅木:そうなんです。自分が好きでやっていることですから仕方がないんですが。

なので時間は有効に使わないといけません。時間管理の裏技として、実践していることが2つあります。

1つは、なるべく移動手段にタクシーを使うこと。タクシーだと、車内で打ち合わせができますし、パソコンを開いて執筆もできますから。「時は金なり」で、お金よりも時間が優先。タクシーをワークスペースとして活用しているわけです。

2つめは、眠くなったら仮眠を取ること。僕の得意技で、どこでも寝られるんですよ。タクシーの中で寝てもいいし、家でもどこでも、隙間時間にサクっと10~15分ほどの仮眠を取ります。

ちなみに株取引でも、眠気があると悪影響を及ぼします。デイトレードは先述した通りスピード感が命。敵が来たら即倒す! みたいなイメージを持っていただければ。だから寝不足こそ大敵で、集中力が低下して大損害に……なんてことは絶対に避けたいですからね。

――企業でも仮眠をとることを推奨しているところが増えていますね。仕事の合間に正しく仮眠を取ることで、作業効率を上げられる「パワーナップ」という新しい考え方も出てきました。

梅木:実は多くの人は、眠気のピークが1日に2回あるそうです。

よくカフェインで眠気を覚ますという人もいますが、僕の経験上、騙しだまし眠気をやっつけるよりは、手っ取り早く仮眠を取ったほうがいい。

睡眠は単純なようで、意外にあなどれませんよ。