今から80年前、旧日本軍の「特別攻撃隊(特攻隊)」が戦闘機ごと米艦船に体当たりし、アリューシャン列島からガダルカナル島に至るまでの場所で大勢の日本兵が命を落とした。すべての兵士には同じ約束が与えられていた。魂は東京の靖国神社に祀(まつ)られるのだと。靖国神社は、神聖な天皇の名のもとに国民を戦いに動員しようとする宗教的・軍事国家の象徴だった。靖国には約250万人の兵士の魂が神道の祭神として慰霊顕彰されている。 日本は79年前の8月、戦争に負けた。だが靖国神社は今なお存在し、近頃は自衛隊との結びつきを深めている。このことには、日本の侵略を撃退するために1930年代から1945年の日本敗戦まで戦った中国だけでなく、日本国内からも警戒する声が聞かれる。一方で、米国が戦後に起草した日本国憲法に定められた宗教と国家の分離を完全には受け入れなかった日本の保守派を活気づかせている。
靖国神社、戦没者慰霊の地か負の遺産か
自衛隊における靖国神社の存在感の高まりは、旧体制が復活しつつあることの表れとの指摘も
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