筆者が読者から受ける反論の中で特に多いのは、真の投資家はトレーダーが血眼になる市場の日々の変動を気にせず、ただ株式を買って保有し続けるべきという主張だ。これには一理あり、大半のファンドマネジャーの運用成績は市場平均を下回っている。では、相場に手を出す個人投資家にチャンスはあるのだろうか。インデックス(指数)を買う方が得策だろう。
ただ、たとえ長期的な視点を持っていても、価格が実態と大きく乖離(かいり)していればポートフォリオを調整する必要がある。ドットコムバブルやコロナショックによる暴落、債券利回りのゼロ近辺への低下、2020~21年のSPAC(特別買収目的会社)・大麻・クリーンエネルギー絡みのバブルなどの場合が挙げられる。問題はどう判断するかだ。