米エヌビディアを有名にしているのは人工知能(AI)向け半導体チップの製造だが、同社が作り上げた最も重要なものは、顧客を囲い込み競合を締め出すビジネス上の防壁だ。この防壁はシリコンのみでできているわけではなく、ソフトウエアも重要な要素だ。
エヌビディアはこの20余年で、テック業界で「ウォールドガーデン(壁に囲まれた庭)」と呼ばれる、米アップルのエコシステムとよく似た仕組みを築き上げた。米アップルのものは消費者向けのソフトとサービスだが、エヌビディアは常に、同社製チップを使ったAIシステムなどのソフト開発者に照準を合わせてきた。