早田ひな「特攻資料館行きたい」が大炎上、擁護する日本人がぶち壊した「五輪の価値」中国版Xの微博(ウェイボー)で早田ひな(右)選手のフォローを外した中国代表の孫穎莎選手(左) Photo:JIJI

早田ひな大炎上から
私たちが学ぶべきこと

「鹿児島の特攻資料館に行って、生きていることを、そして自分が卓球をこうやって当たり前にできているということは、当たり前じゃないというのを感じたい」

 早田ひな選手のこんな会見での発言が、中国や韓国で炎上をしてしまった。これらの国では「特攻=日本の軍国主義がもたらした狂気」のように思われているので、早田さんがそれを肯定していると思われてしまった。

 報道によれば、もともと早田さんは中国でも「リンゴちゃん」の愛称で人気があり、今回の五輪でも中国人選手や韓国人選手との交流や友情が注目されていたという。つまり、好感度が爆上がりしていただけに、「特攻資料館行きたい」発言で株が急落してしまったのだ。

 早田さんは中国人選手からの勧めで、中国のSNS「ウェイボー」を始めたばかりだったのだが、わずか数日で4万人ものフォロワーが消え、開設を勧めた中国人選手までフォローを外したという。

 もちろん、これが「誤解」によるところというのは言うまでもない。早田さんがおっしゃった「特攻資料館」というのは正式には「知覧特攻平和会館」。この名称からも分かるように、特攻を美化しているわけでも、日本の戦争を肯定しているわけでもない。実際、知覧特攻平和会館公式ホームページにもこんな考えが掲載されている。

《戦闘機に爆弾を装着し敵の艦船に体当たりをするという命の尊さ・尊厳を無視した戦法は絶対とってはならない、また、このような悲劇を生み出す戦争も起こしてはならない》(知覧特攻平和会館ホームページ)

 ただ、今回のパリ五輪に出場したアスリートにもメディアトレーニングをした危機管理の専門家という立場であえて言わせていただくと、今回の発言は残念ながら燃えるべくして燃えるたと言わざるを得ない。