「失敗が怖くてなかなか最初の一歩を踏み出せない」
そんな人も多いのではないだろうか。
本連載では、ビジネスパーソンから経営者まで数多くの相談を受けている“悩み「解消」のスペシャリスト”、北の達人コーポレーション社長・木下勝寿氏が、悩まない人になるコツを紹介する。
いま「現実のビジネス現場において“根拠なきポジティブ”はただの現実逃避、“鋼のメンタル”とはただの鈍感人間。ビジネス現場での悩み解消法は『思考アルゴリズム』だ」と言い切る木下氏の最新刊『「悩まない人」の考え方 ── 1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』が話題となっている。
「成功者は絶対に失敗しない」あなたはそう思っていないだろうか?
しかし、木下氏は「成功者ほど多くの失敗をしている」とし、成功者の世界に飛び込む方法として、できるだけ早く「9回失敗しよう」と提唱している。一体なぜか? その理由について木下氏が解説する。(構成/照宮遼子)
失敗から学ぶ! 成功への最短ルートとは?
この世界には「10回に1回の法則」があります。
これは、何かにトライしたとき、最初の9回は必ず失敗し、最後の10回目で必ず成功するようにできているという考え方です。
つまり、物事を成し遂げるには、うまくいかない方法を9個見つけて、それを避けるようにしていけば、うまくいくのです。
生前の野村克也監督が「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」と述べたように、よくわからないけど勝てたというのはありますが、負けるときは負ける理由が確実にあります。
つまり、偶然負けるのはほとんどなく、負けるべくして負けるのです。
この事実を知っているかどうかで、人生がうまくいくかが変わってくるのです。
失敗を恐れることなく、未来を切り開くには?
失敗をするのが怖いという人もいると思いますが、失敗したという事実だけを見るのではなく、なぜその失敗をしたのか、その原因をきちんと理解することが大切です。
失敗した事実だけに気を取られてしまうと、なぜ失敗したのか原因がわからず、学びにはつながらないからです。
そもそも、失敗という言葉があまりよくありません。
パターンを学べるのですから、厳密には失敗ではありません。
どうしても失敗するのが怖いという人は、まずは他人の失敗パターンをたくさん学んでください。
ここで注意しないといけないのが、ちょっとうまくいっている人たちを見て、憧れを抱かないことです。
一説によると、起業して10年後に残っている確率はたった6%といわれます。
その他大勢の94%にならないために、6%の成功者だけを見るのではなく、失敗した94%の人たちがなぜ失敗したのかを学びましょう。この失敗した94%の人たちの行動には驚くほど共通点があります。それを学び、それを避ければ6%の成功者になれるのです。
失敗は成功への投資! 成功者ほど失敗を愛するワケ
私自身もいろいろ失敗しながら、あらゆるパターンをストックしてきました。その一方で、他の人の失敗についてもたくさん調べてきました。
特に経営者が失敗したケースを調べていくと、確実に失敗するパターンというものが存在していることがわかります。
こうした事実を知っておくだけでも、大きな失敗を避けることができるのです。
私自身も詐欺に遭って全財産を失ったことがありますし、知人の経営者も、かなりの割合の人が騙されたり裏切られたりした経験があります。
私の場合は、詐欺に遭ったのは起業の初期段階だったので大きな実害は少なく、逆にいい経験を積めてラッキーと思っていますし、そうした経験を踏まえ、二度と人に騙されない仕組みを構築することができました。
人生で悪いことが起きても、それをきっかけに良い方向に変わっていくので、失敗を重ねて成長していくと、すべての出来事をラッキーとして解釈できるようになります。
(本稿は『「悩まない人」の考え方──1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』の著者による特別投稿です)