「いつまでたっても悩みのループから抜け出せずにいる」
そんな人も多いのではないだろうか。
本連載では、ビジネスパーソンから経営者まで数多くの相談を受けている“悩み「解消」のスペシャリスト”、北の達人コーポレーション社長・木下勝寿氏が、悩まない人になるコツを紹介する。
いま「現実のビジネス現場において“根拠なきポジティブ”はただの現実逃避、“鋼のメンタル”とはただの鈍感人間。ビジネス現場での悩み解消法は『思考アルゴリズム』だ」と言い切る木下氏の最新刊『「悩まない人」の考え方 ── 1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』が話題となっている。木下氏によると、悩みから抜け出せない人には3つの共通点があるという。本稿では、悩みから解放される具体的な方法を紹介しよう。(構成/照宮遼子)
「悩みのループ」から抜け出せない人の特徴1
「悩みのループ」から抜け出せない人の特徴の1つ目は、感情と思考の切り替えができないことです。
もちろん、感情は感情として持っていてOKです。
しかし、感情が高ぶっていると、思考モードに切り替えようと頭ではわかっていても、どうしても感情的になってしまいます。
思考モードに切り替えるための第一歩として、「今、感情モードになっているな」と自覚することがとても重要です。
すごく感情的になっている状態では、正しい判断や考え方はできません。
何かを判断をしなければならないときは、思考モードに切り替えて考えるようにしましょう。
「悩みのループ」から抜け出せない人の特徴2
「悩みのループ」から抜け出せない人の特徴の2つ目は、物事を善悪二元論でしか捉えられないことです。
世の中の出来事は2択で割り切ることはできません。
世界中で起きている戦争にしても、どちらが良くてどちらが悪いというものはありません。どちらかに考え方が偏ってしまうのは、社会経験などが少ない人に多く見受けられます。
多角的な視点で物事を見るようになるには、善悪二元論ではない世界をたくさん見ていくことが大切です。
私は、戦争が起きたときなどは、必ず両方の国の意見を観察するようにしています。
常に善悪二元論ではなく、多様な見方をできるようにしておくと、「悩みのループ」から抜け出る突破口が見つかります。
「悩みのループ」から抜け出せない人の特徴3
「悩みのループ」から抜け出せない人の特徴の3つ目は、原因と責任の切り分けができないことです。
多くの人は、原因をつくった人が責任を取るべきという考えだと思います。
上司が部下に仕事を依頼し、その部下が失敗したとき、この業務が失敗した原因は部下にありますが、その責任を取るのは上司であって部下ではありません。
「責任を取る」というと、辞任や謝罪といった罰を受けるイメージがあるかと思います。
しかし、実際に責任を取るとは、責任を果たすことであり、起きた問題を解決することです。
たとえば、誰かと揉めて、相手が暴力を振るってきたとします。
この際の「責任を果たす(問題を解決する)」とは「ケガをしないようにする、再発を防止する」といったことになります。
この問題の「原因」はあきらかに相手にありますが、「ケガをしないという問題解決」のためには、相手に暴力をやめさせるよりも、あなたがこの場から逃げるほうが確実でしょう。
この場合、「相手が悪いんだから相手が責任を取るべきだ」なんて悠長なことは言っていられません。
だったら、自分から別の方法を取るほうが手っ取り早い。
「悪いのはあいつだから、あいつが変わるべきだ」と言う前に、まずはその場から逃げるという選択をするべきでしょう。
改めてまとめると、「悩みのループ」から抜け出すには、
1.「感情」と「思考」を切り分けるクセをつける
2. 善悪二元論ではなく、両者の観点で出来事を観察する
3.「原因」と「責任」は別物だと割り切る
ということを日頃から意識していることが大切です。
(本稿は『「悩まない人」の考え方──1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』の著者による特別投稿です)