「自分の報告」の延長で提案してみよう

 GOODの伝え方は、自分の具体的な災害対策を例に挙げ、それが完了していると伝えています。その後にわずかな費用ですぐ取り掛かれる「家具の転倒防止」という基本対策を伝えました。

 あくまで、自分が行ったことの「報告」から入っているので、親は嫌な気持ちになりません。加えて、もしそのときに皆さんのエピソードを話したら親は食いつくかもしれません。

 たとえば、「最近の非常食がおいしくてびっくりしたんだよね。カレーとかは普段使いもできるから多めに買っちゃったよ」と伝えたら、「そんなにおいしいの?」と会話のきっかけになるかもしれないですよね。

 皆さんに理解していただきたいのは、現時点で災害対策が出来ていない親は、その必要性や緊急性に「意識が向いていない」という事実です。意識が向いていないというのは、悪気があってのことではありません。

 ですから、皆さんが100%正しく、必要なことを伝えるときこそ、自分を俯瞰していただければと思います。親も意識さえ向けば話を聞いてくれるでしょう。そしてさらに「一緒にやろう!」と提案していただけたら、親も重い腰が上がりやすくなると思います。

 リハビリも同じなのですが、災害対策も最初にちいさな一歩を踏み出させ、徐々に本格的な対策、備蓄に移行させていくほうが、結果的に早く目的を達せられます。頭の片隅に入れておいていただけますと幸いです。