「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、この夏『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。今回は出版を記念して著者の萩原氏によるオリジナル記事をお届け増します。

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猛暑なのに高齢の親がエアコンを使わないのはどうして?

猛暑なのに高齢の親がエアコンを使わないときの伝え方
【NG】(暑くないという親に)「なんでエアコンをつけないの? 熱中症になるよ?」
【GOOD】「エアコン使わないなんて、とんでもない損をすることになるけどいいの?」

 まだまだ猛暑が続いているというのにエアコンをつけない高齢者は多いですよね。室内なのに熱中症になってしまったというニュースを私も目にします。

 どうして高齢者が暑いのにエアコンを使用しないのかというと、体性感覚が低下し、体温上昇を感じにくくなるからです。同様に自律神経系の機能も低下し、体温(特に深部体温)が上昇した場合の調節能力も低下します。

 とはいえ、猛暑時にエアコンを使わないという選択肢はありません。皆さんも親が蒸し暑い部屋にいたら心配ですよね。

 先ほど、高齢者がエアコンを使用しない身体的理由については説明をしましたが、実は真の理由は精神的なところにあります。