「悩んでいるだけで時間があっというまにすぎてしまう...」
そんな経験はないだろうか?
本連載では、ビジネスパーソンから経営者まで数多くの相談を受けている“悩み「解消」のスペシャリスト”、北の達人コーポレーション社長・木下勝寿氏が、悩まない人になるコツを紹介する。
いま「現実のビジネス現場において“根拠なきポジティブ”はただの現実逃避、“鋼のメンタル”とはただの鈍感人間。ビジネス現場での悩み解消法は『思考アルゴリズム』だ」と言い切る木下氏の最新刊『「悩まない人」の考え方 ── 1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』が話題となっている。
本稿では、深みにはまってしまう悩みから抜け出し、効率的に問題を解決するための驚くほどシンプルで誰でもすぐにできる方法を紹介する。(構成/照宮遼子)

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生産性を劇的に上げる! 悩みとの上手なつき合い方

 悩んでいる人は、実は悩んでいるだけで考えていない状態になっていることが多いのです。
 ボーっと考えてしまい、気づけば何時間もたっていたという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

 実は、どんなに深刻な問題でも1時間もあれば十分です。
 判断材料を集めるには、それなりの時間がかかりますが、それをもとに答えを出すのは、そこまで時間は必要ありません。

 人が集中して考えられるのはせいぜい1時間程度。
 ですから、同じことで何日も悩むより、ここからここまで一点集中しようと決めて本気で考えるほうが、精神衛生的にもいい。
 ダラダラ悩まないために、まずは考える時間枠を確保することから始めましょう。

最短ルートで問題解決! 効果的な思考の整理術

 時間を決めることと同じくらい大事なのが、「書き出す」ことです。

 まとまった時間に集中して検討するには、頭の中であれこれ考えていては、思考が堂々巡りしてしまいます。

 悩まない人になるには、「書く」一択
 文字や図でアウトプットする習慣を身につけましょう。
 私はアウトプットするために「Microsoft OneNote」を使用しています。

 OneNoteに書き出して可視化することで、そもそもの前提条件の誤りに気づいたり、それぞれの事柄の関係性を確認したりするなど、現在の状況を1ページで見渡せるのが利点です。

 また、問題を階層化しグルーピングすることで、別々の問題と思っていたことが、実は1つの解決法ですべて解決できることもあります。

 たとえば、20個の課題があったとき、それらを書き出しグルーピングしていくと、最終的に3つの改善を行えば、20個の課題全部が消えるということが実際よく起こります。

 書き出すという「ひと手間」を加えることで、結果的にその問題にかかる労力を劇的に減らすことが可能になるのです。

アイデアの源泉! 創造性を高める思考法

 実は、本書『「悩まない人」の考え方』の構成を考える際にも、OneNoteを活用しました。

 まずは何十というネタを出していき、「これは解決方法だよね」「これは思い込みだよね」など、悩みに関するネタを体系化していきました。

 すると、最終的に、「悩まない人のモノの見方・世界観」(本書第1部)と「実際の解決策」(本書第2部)という2つに分類できました。

 私は20年ほど前、システムのプログラム設計をする際にこの手法を取り入れました。

 システムをつくるために、まず必要な要素を書き出し、それらをグループ化してつないでいくのです。

 当時は実際に紙に書いていました。
 でも、紙だと書くスペースに限りがありますし、書いた後に順序を入れ替えることもできません。

 紙に書く限界を感じていたとき、OneNoteと出合いました。
 紙もWordやPowerPointもページのサイズに限界はありますが、OneNoteは無限にページを広げることができます。

 表示サイズを調整すれば俯瞰できますし、テキストボックスを自由に動かせるので、グルーピングするのにとても便利です。

 本書ではその活用事例が掲載されていますが、まだ使ったことがない人はぜひOneNoteでアウトプットしてみてください。

(本稿は『「悩まない人」の考え方──1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』の著者による特別投稿です)