米共和党の副大統領候補であるJD・バンス上院議員米共和党の副大統領候補であるJD・バンス上院議員 Photo:Ash Ponders for WSJ

【シカゴ】米共和党の副大統領候補であるJD・バンス上院議員は、ケンタッキー州の貧しい炭鉱地域で生まれ、(米国での)家族のルーツを何世代もさかのぼれると、米国民に自己紹介した。一方、民主党の大統領候補カマラ・ハリス副大統領は、インド系とジャマイカ系の移民の子どもで、母親は乳がんを治す科学者になることを夢見て米国に来た「なまりのある褐色の女性」だと自己紹介した。

 共和、民主両党の全国大会で示されたこうした生い立ちは、よく知られていない共和党副大統領候補と民主党大統領候補の人物像を埋めるためだけではなかった。それらはむしろ、両党が米国を根本的に異なる政策へと導こうとしている理由の一部だった。

 大統領選の二つの陣営は、どちらの政策が最も米国のために役立つかを巡る論争の一環として、党大会の場や他のメッセージの中で、米国人とはどういうものかについての全く異なるビジョンを示してきた。バンス氏にとっては「米国の偉大さの源」は「祖国」とつながった何世代もにわたる人々によって築かれた絆であり、これは外国人労働者や輸入されたエネルギー、雇用の海外流出を招く通商協定から守られなければならないと同氏は主張した。一方、ハリス氏とその支持者にとっては、米国の物語は人種的・経済的障害を克服している人々に関するものであることが多く、彼らの大志は政府から援助を受けるに値するという。