民主党はハリス副大統領・ワルツ州知事のコンビに
トランプ氏とハリス氏は好対照の属性
11月の米大統領選に向け、民主党は8月19日から22日まで開いていた全国大会で、ハリス副大統領とティム・ワルツミネソタ州知事のコンビでの選挙戦を本格的にスタートさせた。
6月のTV討論会でのバイデン大統領の高齢不安顕在化を機に、党内はバイデン氏支持と撤退を求める議員とで分裂、最終的にはバイデン氏の撤退表明となったが、短期間のうちに、民主党は大統領候補バイデン氏をハリス氏で上書き消去し、党内混乱をリセットさせ、選挙戦を新たな展開に向かわせることに成功した。
世論調査の支持率で、バイデン氏は共和党のトランプ前大統領に後れを取っていたが、ハリス氏VSトランプ氏ではほぼ拮抗し、直近の8月10日、米紙ニューヨーク・タイムズが公表した結果では、接戦州のミシガン、ウィスコンシン、東部ペンシルベニア州でトランプ氏を上回ったという。
民主党の勢いが増したのは、ハリス氏が59歳と候補者が大幅に若返りし、トランプ氏の「高齢」をむしろ攻撃材料にできるのに加えて、大統領選の焦点の一つの人工妊娠中絶問題や移民規制問題で、女性やヒスパニックなどの支持を得られやすいなどの強みがある。
一方でトランプ氏は保守系や白人労働者らの支持が多く、仕切り直しの大統領選は、物価高問題や国境問題の争点に加えて高齢・男性白人のトランプ氏と若手・女性非白人のハリス氏の二人の属性が作用し、その度合いが勝敗に影響することになりそうだ。