2017年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの魔法』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。
「運命」は「人」によって運ばれてくるらしい
「運命」という言葉と、「宿命」という言葉は、混同して使われやすいのですが、「宿命」とは、「宿っている命題」のことです。
つまり、生まれながらにして、その人が背負っているもので、生年月日や性別、どんな親の下に生まれたかなど、目覚めている意識(顕在意識)では変えられないもののようです。
実際には、すべて自分でプログラムをして生まれてきているようですが、とりあえず、自分で決定したとは思えないことが「宿命」らしいのです。
一方、「運命」は「運ばれてくるもの」「運ばれてくる命題」のことです。
では、「運命」は、何によって運ばれてくるのかというと、「人」によって運ばれてくるようです。人生は、「人との出会い」によって組み立てられているようです。
ですから、私たちは、「一人ひとりを本当に大切にしているか」を常に考える必要があります。
たとえば、手紙をくれた人に返事を書こうと思いながら、つい書きそびれて月日が経ってしまうことも少なくありません。
返事を書くことが相手を大切にすることになるのに、私たちは、ついつい、そのままにしている気がします。
どうやら、「一人ひとりを本当に大切にしているか、どうか」で、その人の「運命」は決まってくるらしい。
「運命」は人が運んでくるものなのですから、運んできてくださった人に「感謝」し、「手を合わせる」ことを続けていると、その人の人生は、「嬉しさ」「楽しさ」「幸せ」に満ちたものになっていくようです。
極端に言えば、「運命」には「運がいい」も「運が悪い」もありません。
「運が悪い人」は、目の前の「運(=人)」を見過ごしている(大切に思っていない)ことにほかなりません。
「運命」は、人によって運ばれてくるのですが、それを運んでくれる人は、「運んでいますよ」と声高に言うことはないようです。ただ黙々と、目の前を通り過ぎていくだけです。
しかも、通り過ぎる人数は、誰に対しても平等で、「それをしっかり見ることができるかどうか」が問われているようです。
ですから、人との「出会い」や「つき合い」を大切にしていくかどうかで、自分の将来が決まっていくということに、気がついたほうがいいと思います。
一人ひとりを大切にしない人に、「好運」はありません。
逆に、社会的な地位や身分に関係なく、人間一人ひとりを本当に大切にしている人は、「好運」を手に入れることができるようです。
「今まで自分は運が悪かった」「ツイていなかった」と嘆く人は、もしかしたら、一人ひとりを大切にしてこなかったのかもしれません。
自分の日常生活を見直してみると、経済、報酬、仕事とはかかわっていなくても、自分と「縁」のある人、出会う人がいるはずです。
その一人ひとりを大切にしていく。そうすることで、今までにない「好運」な日々が展開していくように思います。