親を傷つけずにうまく要求を伝える言葉

 こんなときは、一度冷静になって「感謝の言葉」から伝えてみましょう。

 つまり「ありがとう」などのクッション言葉を挟んだうえで、皆さんの要望を伝えるのです。感謝の言葉があると、ひとまず親は「子どもの役に立つことができた」と思い、うれしい気持ちでいっぱいになります。

 そうすると、あとに続く言葉が「改善要求」だったとしても、受け入れてもらいやすくなるのです。

 たとえば、「ありがとう。ただ、〇〇してくれるともっと助かるな」と伝えたらどうでしょうか。怒鳴っているわけでもなく、なにをしてほしいのか(してほしくないのか)がスムーズに伝わります。

 場合によっては、「ありがとう。料理は私がやるから、代わりに掃除をしてのもらえると嬉しいな」と伝えるのもありです。老いた親は皆さんの役に立ちたいという思いで行動しているわけですから、なにか役割があればいいのです。皆さんの手が回らないことを代替案として伝えてみましょう。