「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、この夏『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。今回は出版を記念して著者の萩原氏によるオリジナル記事をお届け増します。

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高齢の親がぜんぜん水を飲まない!

高齢の親がぜんぜん水を飲んでくれないときの伝え方
【NG】「ちゃんと水飲んでるの? 熱中症になるよ?」
【GOOD】「赤ちゃんがプルンプルンでモチモチなのは、お水のおかげなんだよ」

 適切な量の水を摂取することは、熱中症の予防のみならず、健康維持のうえで大変重要なことです。高齢者が水を飲まないのは、そもそも喉が渇かないとか、トイレに行く回数が増えるからといった答えが多い印象です。

 このような普段から水をあまり飲まない高齢者は、水を飲む必要性と重要性を認識していません。水を飲んでいるよと答える方でも、何をどれ位飲んでいるのか?と、詳しくたずねるとコーヒー、紅茶、緑茶、ジュースや牛乳と言う場合がほとんどです。

 これらは水分ではあっても水ではありません。細かい話は割愛しますが、それでも飲まないでいるよりはマシなので、高齢の親自身に、水と健康との関係性や重要性を、十分理解してもらうまでは反復継続的な説明と促しが必要です。