「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、この夏『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。今回は出版を記念して本文の一部を抜粋・再編集してお届けします。

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親にイライラしてしまったときのNGワード

 皆さんが干した洗濯物を乾ききっていない状態で親が取り込んでしまう。皆さんがお弁当用に残しておいた食材を、好意からか親が夕食で一品増やそうと勝手に使ってしまう。こんなこと、ありますよね。

 そんなとき、つい「余計なことをしないでよ」という言葉が口からこぼれ出ます。皆さんなりに段取りをしているわけですから、ときには「邪魔をされた」と感じることもあるでしょう。

 とはいえ、こんなことを言ったら、親は「善意を踏みにじられた」と思ってしまいます。皆さんのイライラには大変共感しますが、親も悪気があるわけではありません。この「すれ違い」が親子の関係に亀裂を入れてしまいます。皆さんも親も嫌な思いをするのは悲しいですよね。