カマラ・ハリス米副大統領は、民主党の大統領候補指名を確実にすると、リベラル過ぎるとみなされる政策へのかつての支持を撤回して回っている。その最たるものが、シェール層から石油やガスを採掘する手法であるフラッキング(水圧破砕法)の禁止だ。ハリス氏の方針転換を示しているのが、2週間ほど前の米CNNとのインタビューだ。同氏は、2022年に自身の賛成票で均衡を破り成立させたインフレ抑制法が、「実際にフラッキングを行うための(連邦公有地の)リース契約を増やした」と述べた。この一件でハリス氏は、ジョー・マンチン上院議員(ウェストバージニア州)に感謝してもよさそうだ。現在は無所属だが22年当時は民主党に所属していたマンチン氏は、賛成に回る条件として、連邦公有地における石油・ガス生産の認可拡大を同法に盛り込むよう求めた。