ただ判断が早すぎて損切りばかりやってしまうこともあり得るので、最初のうちは実際の資金を使わずに取引を体験できる「デモ取引」で、間引きの練習を必ずやることをおすすめします。

 なお逆指値は、市場によって、行為そのものができないように操作される場合もあります。

 2016年6月、イギリスの国民投票があった際、ある証券会社で、「逆指値」の注文受付を停止する措置が執られました。こうなると損切りができなくなるため、措置が解除されるまでは取引せず、価格の行方を見届けるのが正解だと私は考えます。

 仮に様子見ができないのだとしたら、それはただの博打を打つだけの形となります。大勝ちできる可能性もありますが、それと同じくらい大負けする可能性もあり、危険だからです。

 相場は永遠になくなりませんし、自分が資金さえきちんと確保していれば、いつでも取引はできます。「価格が大きく動くから」と、無理して取引する必要はありません。

 小さい損失と小さい利益が交錯しながら、たまに大きく利益が伸びて資金が増えていく。そのような状況こそ、兼業投資家が無理なくお金を稼げるスタイルだと私は考えています。

図12:投資でお金を増やすイメージ同書より転載 拡大画像表示