「損切り」と聞くと、損という言葉からマイナスイメージを持つ人が多く、中には「なかなか損切りできない」という人もいます。しかし実際は、利益を大きく伸ばすための方法のひとつ。まさに損を切り捨てる行為です。

 また、損切りに対してマイナスイメージを抱いている人に限って、先にお話ししたような大負けするパターンにはまってしまいがちです。損切りに抵抗があり行動できないうちに、そのままどんどん損失が膨らんでしまって大負けするという流れです。

図11:間引きと損切りの相関イメージ同書より転載 拡大画像表示

大きな損失を未然に防ぐ
ための「逆指値」とは?

 ちなみに損切りは、事前に設定することができます(投資ではこれを「逆指値」といいます)。実際に安値で買う際に、どのくらい損失が出たら売るかを、あらかじめ設定しておくのです。買うときに損切りを同時に行うことができるので、最低ラインの価格を決めて、必ず設定しておきましょう。

 同時に、逆指値まで損失がふくらむ前の段階でも、「もう明らかに損がふくらんで無理そう」となったときは、より早い段階で切り上げても構いません。先のグラフでも示したとおり、損失は、早めに確定させたほうが小さく済む可能性が高いからです。