正解:②TOB価格の近くまで株価は上昇する

TOB成立はほぼ確実

 TOBに応募する株式数が、下限3,400万株に満たないことはないと考えられます。2つ理由があります。

 (1)買付け価格は、直前の株価に40%ものプレミアムを付けている。
 (2)友好的TOBで、G社経営陣も賛同を表明している。

 TOB成立がほぼ確実で、TOBに応募すれば1株1,400円で買い取ってもらえるG社株を、それより大幅に安い株価で売る株主はいません。

 株価が1,400円近くに上昇するまで売り手がいないので、売買は成立しません。

 株価が1,400円に近づいてから、やっと売買が成立することになります。

TOB価格より少しだけ下の1,380円で売る株主はいる

 TOBに応募すれば1,400円で買い取ってもらえますが、それには時間がかかります。

 何らかの事情ですぐに売却代金を取得したい株主は、1,400円より少し下の株価でも売るかもしれません。

 また、TOB成立はほぼ確実ですが、応募が少なくてTOBが不成立となる万一のケースに備えて、早めに売りたい株主もいるかもしれません。

TOB実施義務

 金融商品取引法では、一定の大規模な株式の買い集め行為に対して、TOB実施を義務付けています。

 市場外取引によって、発行済み株式総数の5%を超える株式を取得する場合、あるいは、市場外の買付後に保有比率が3分の1を超える場合などに、適用されます。

 経営権取得の意図をもって株式取得を進める投資家の存在を周知し、すべての株主に平等に売りの機会を与えることが目的です。

(本稿は、『株トレ ファンダメンタルズ編』から抜粋・編集したものです。)