ファッションブランド「コーチ」を傘下に持つ米タペストリーが「マイケル・コース」を擁するカプリ・ホールディングスを買収する計画は反トラスト法(独占禁止法)に違反するとして、米連邦取引委員会(FTC)が訴訟を起こしている。審理が進むにつれ明らかになってきたのは、「手の届く高級品」のバッグという、曖昧なカテゴリーを定義することの難しさだ。今回の訴訟では、ニューヨーク州にある連邦裁判所で証拠調べが終了した。9月30日には最終弁論が予定されている。市場は両社の主張には説得力があるとみているものの、勝訴は確実との見方にはなっていないようだ。カプリ株の19日の終値は38.87ドルで、審理が始まって以降は約12%上昇した。買収計画ではタペストリーはカプリ株を1株当たり57ドルで取得することで合意しており、足元の株価はこの水準を大きく下回る。