学校の教室Photo:PIXTA

いい学校とは――。中学受験のプロは、どんなポイントに注目して学校の実力を判断しているのか。SAPIXの広野雅明先生に「中学受験の素朴な疑問」をぶつける連載。第6回(全12回)は「学校の選び方」を取り上げる。(聞き手・文/教育アドバイザー 鳥居りんこ)

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学校説明会で確認したい
3つのポイント

――親の悩みのひとつに「どの学校を選べばいいんだろう?」というのがあります。第一志望校が決まったとしても、今や第一志望校に行ける子は3人に1人とも言われていますから、併願先で悩んでしまう。広野先生は精力的に中高一貫校を訪問されていますが、学校のどこを見ているんですか?先生から見て、いい学校というのを教えてください。

 一部の先生だけが熱心で、他の先生は無関心に見える学校とみんなで良くしていこうという学校があります。学校説明会や各種行事でいつも同じ先生だけが活躍する学校もあれば、日程ごとに大勢の先生が交替で出演する学校もあります。1人のスタープレーヤーだけが活躍しているような学校の場合は少々心配です。

 あと、若手の先生と女性の先生が伸び伸びと活躍している学校かどうかということもチェックしています。

――昔は私学の先生と言えば、卒業生がいつ帰ってきても温かく迎え入れてくれる存在でしたが、今や、先生の流動が激しいじゃないですか?去年はあの学校で「本校は素晴らしい」と言っていたはずなのに、今年はこっちで「本校は素晴らしい」と言っているから、一瞬、どこの学校に来たのか分からなくなる(笑) 時代の流れとはいうものの、ちょっと寂しい気もします。

 まあ、有期契約の問題がありますので、学校が契約を更新しない場合と、その先生がより良い条件の学校を求めて転職する場合と両方があります。