「ビットコイン」のバブルが起こっている。

 ビットコインとは、ネット上で取引されるバーチャル通貨である。最近、このビットコインの価値が高騰して争奪戦が繰り広げられている。

 通常の通貨のように国境も持たず、供給量を管理する中央銀行もないビットコインは、新しい「第三の通貨」として注目を集めているのだが、その是非についてははっきりと見方が二分されている。論議の絶えない存在なのである。

 それでは、ビットコインとは一体何なのか。これを説明するのは簡単ではない。

中央銀行に管理されず流通し、
ユーザー同士が直接取引するバーチャル通貨

 ビットコインが誕生したのは2009年のこと。

 大雑把に説明すると、ビットコインはちょうど金(ゴールド)のように、インターネット上で「採掘(マイニング)」して手に入るのだが、採掘のためには難しい暗号問題を解く必要がある。ビットコインが発行されればされるほど暗号問題は難しくなっていくしくみで、当初は自宅のコンピュータで採掘が可能だったが、最近では専用のハードウェアを走らせないと手に入らなくなっているという。

 ビットコインの発行量はほぼ10分ごとに25個。現在出回っているビットコインの数は1100万ほどで、これが2014年初頭には1400万になると予想されている。ただ、最終的な供給総量は2100万と限定されており、その数に達するのが2021年と予測され、その時には全世界での流通量が一定値に達するということになっている。

 そもそもビットコインの要点は、国の中央銀行や金融機関に左右されない純粋なユーザー同士の交換の手段となることだった。

 P2P(ピアツーピア)のファイル共有と同じしくみで、中央の組織を介さずにユーザーからユーザーに支払いができる。通貨としての存在を保護するために、採掘や取引記録は全ネットワークに記録され、また二重使用できなくするしくみもあるという。