チャンスはいつ来るかわからない

 対して、仕事ができる人は調子がいいときも悪いときも同じリズムで淡々と仕事をしようとします。もちろん、質の部分では差が出てしまうかもしれませんが、心持ちの部分で差はつくりません。

 気分で仕事をしていないわけですから、安定したパフォーマンスを発揮できますし、まわりの人からも信頼されるでしょう。

 私のいるお笑いの世界でも、こんな話があります。ある若手芸人は気分で仕事をせず、毎日コツコツと真面目に舞台に立ち続けていました。調子が悪い日があっても全力で、とにかく真面目に取り組んでいました。

 するとある日、超人気番組への出演が決まりました。特に身に覚えもなく、「どうしてだろう」と不思議に思って打ち合わせに参加するとプロデューサーから理由を教えてもらいました。

 その理由は、その番組の司会者がたまたまその芸人の舞台を見ていて「光るものがある」から呼んでみようと言っていたからだそうです。

 その舞台には、たくさんの芸人がいたわけですが、お眼鏡にかなったのはその芸人だけです。すごいことですよね。結局、いつ来るかわからないチャンスをその芸人は逃さなかったわけです。

 このことからもわかるとおり、モチベーションで仕事をすると、自分の知らないところでたくさんのチャンスを取りこぼします。それは非常にもったいないことですよね。

 常に完璧である必要はありませんから、「気分になるべく左右されない」ことだけ、頭の片隅に入れておいていただけますと幸いです。